ヨシュア記4-6 ; ルカ1:1-20

ヨシュア記

第4章

4:1民が皆、ヨルダンを渡り終った時、主はヨシュアに言われた、4:2「民のうちから、部族ごとにひとりずつ、合わせて十二人を選び、4:3彼らに命じて言いなさい、『ヨルダンの中で祭司たちが足を踏みとどめたその所から、石十二を取り、それを携えて渡り、今夜あなたがたが宿る場所にすえなさい』」。4:4そこでヨシュアはイスラエルの人々のうちから、部族ごとに、ひとりずつ、かねて定めておいた十二人の者を召し寄せ、4:5ヨシュアは彼らに言った、「あなたがたの神、主の契約の箱の前に立って行き、ヨルダンの中に進み入り、イスラエルの人々の部族の数にしたがって、おのおの石一つを取り上げ、肩にのせて運びなさい。4:6これはあなたがたのうちに、しるしとなるであろう。後の日になって、あなたがたの子どもたちが、『これらの石は、どうしたわけですか』と問うならば、4:7その時あなたがたは彼らに、むかしヨルダンの水が、主の契約の箱の前で、せきとめられたこと、すなわちその箱がヨルダンを渡った時、ヨルダンの水が、せきとめられたことを告げなければならない。こうして、それらの石は永久にイスラエルの人々の記念となるであろう」。
4:8イスラエルの人々はヨシュアが命じたようにし、主がヨシュアに言われたように、イスラエルの人々の部族の数にしたがって、ヨルダンの中から十二の石を取り、それを携えて渡り、彼らの宿る場所へ行って、そこにすえた。4:9ヨシュアはまたヨルダンの中で、契約の箱をかく祭司たちが、足を踏みとどめた所に、十二の石を立てたが、今日まで、そこに残っている。4:10箱をかく祭司たちは、主がヨシュアに命じて、民に告げさせられた事が、すべて行われてしまうまで、ヨルダンの中に立っていた。すべてモーセがヨシュアに命じたとおりである。民は急いで渡った。4:11民がみな渡り終った時、主の箱と祭司たちとは、民の見る前で渡った。4:12ルベンの子孫とガドの子孫、およびマナセの部族の半ばは、モーセが彼らに命じていたように武装して、イスラエルの人々に先立って渡り、4:13戦いのために武装したおおよそ四万の者が戦うため、主の前に渡って、エリコの平野に着いた。4:14この日、主はイスラエルのすべての人の前にヨシュアを尊い者とされたので、彼らはみなモーセを敬ったように、ヨシュアを一生のあいだ敬った。
4:15主はヨシュアに言われた、4:16「あかしの箱をかく祭司たちに命じて、ヨルダンから上がってこさせなさい」。4:17ヨシュアは祭司たちに命じて言った、「ヨルダンから上がってきなさい」。4:18主の契約の箱をかく祭司たちはヨルダンの中から上がってきたが、祭司たちの足の裏がかわいた地にあがると同時に、ヨルダンの水はもとの所に流れかえって、以前のように、その岸にことごとくあふれた。
4:19民は正月の十日に、ヨルダンから上がってきて、エリコの東の境にあるギルガルに宿営した。4:20そしてヨシュアは、人々がヨルダンから取ってきた十二の石をギルガルに立て、4:21イスラエルの人々に言った、「後の日にあなたがたの子どもたちが、その父に『これらの石は、どうしたわけですか』とたずねたならば、4:22『むかしイスラエルがこのヨルダンを、かわいた地にされて渡ったのだ』と言って、その子どもたちに知らせなければならない。4:23すなわちあなたがたの神、主はヨルダンの水を、あなたがたのために干しからして、あなたがたを渡らせてくださった。それはあたかも、あなたがたの神、主が、われわれのために紅海を干しからして、われわれを渡らせてくださったのと同じである。4:24このようにされたのは、地のすべての民に、主の手に力のあることを知らせ、あなたがたの神、主をつねに恐れさせるためである」。

第5章

5:1ヨルダンの向こう側、すなわち西の方におるアモリびとの王たちと、海べにおるカナンびとの王たちとは皆、主がイスラエルの人々の前で、ヨルダンの水を干しからして、彼らを渡らせられたと聞いて、イスラエルの人々のゆえに、心は消え、彼らのうちに、もはや元気もなくなった。
5:2その時、主はヨシュアに言われた、「火打石の小刀を造り、重ねてまたイスラエルの人々に割礼を行いなさい」。5:3そこでヨシュアは火打石の小刀を造り、陽皮の丘で、イスラエルの人々に割礼を行った。5:4ヨシュアが人々に割礼を行った理由はこうである。エジプトから出てきた民のうちの、すべての男子、すなわち、いくさびとたちは皆、エジプトを出た後、途中、荒野で死んだが、5:5その出てきた民は皆、割礼を受けた者であった。しかし、エジプトを出た後に、途中、荒野で生まれた民は、みな割礼を受けていなかった。5:6イスラエルの人々は四十年の間、荒野を歩いていて、そのエジプトから出てきた民、すなわち、いくさびとたちは、みな死に絶えた。これは彼らが主の声に聞き従わなかったので、主は彼らの先祖たちに誓って、われわれに与えると仰せられた地、乳と蜜の流れる地を、彼らに見させないと誓われたからである。5:7ヨシュアが割礼を行ったのは、この人々についで起されたその子どもたちであった。彼らは途中で割礼を受けていなかったので、無割礼の者であったからである。
5:8すべての民に割礼を行うことが終ったので、民は宿営のうちの自分の所にとどまって傷の直るのを待った。5:9その時、主はヨシュアに言われた、「きょう、わたしはエジプトのはずかしめを、あなたがたからころがし去った」。それでその所の名は、今日までギルガルと呼ばれている。
5:10イスラエルの人々はギルガルに宿営していたが、その月の十四日の夕暮、エリコの平野で過越の祭を行った。5:11そして過越の祭の翌日、その地の穀物、すなわち種入れぬパンおよびいり麦を、その日に食べたが、5:12その地の穀物を食べた翌日から、マナの降ることはやみ、イスラエルの人々は、もはやマナを獲なかった。その年はカナンの地の産物を食べた。
5:13ヨシュアがエリコの近くにいたとき、目を上げて見ると、ひとりの人が抜き身のつるぎを手に持ち、こちらに向かって立っていたので、ヨシュアはその人のところへ行って言った、「あなたはわれわれを助けるのですか。それともわれわれの敵を助けるのですか」。5:14彼は言った、「いや、わたしは主の軍勢の将として今きたのだ」。ヨシュアは地にひれ伏し拝して言った、「わが主は何をしもべに告げようとされるのですか」。5:15すると主の軍勢の将はヨシュアに言った、「あなたの足のくつを脱ぎなさい。あなたが立っている所は聖なる所である」。ヨシュアはそのようにした。

第6章

6:1さてエリコは、イスラエルの人々のゆえに、かたく閉ざして、出入りするものがなかった。6:2主はヨシュアに言われた、「見よ、わたしはエリコと、その王および大勇士を、あなたの手にわたしている。6:3あなたがた、いくさびとはみな、町を巡って、町の周囲を一度回らなければならない。六日の間そのようにしなければならない。6:4七人の祭司たちは、おのおの雄羊の角のラッパを携えて、箱に先立たなければならない。そして七日目には七度町を巡り、祭司たちはラッパを吹き鳴らさなければならない。6:5そして祭司たちが雄羊の角を長く吹き鳴らし、そのラッパの音が、あなたがたに聞える時、民はみな大声に呼ばわり、叫ばなければならない。そうすれば、町の周囲の石がきは、くずれ落ち、民はみなただちに進んで、攻め上ることができる」。6:6ヌンの子ヨシュアは祭司たちを召して言った、「あなたがたは契約の箱をかき、七人の祭司たちは雄羊の角のラッパ七本を携えて、主の箱に先立たなければならない」。6:7そして民に言った、「あなたがたは進んで行って町を巡りなさい。武装した者は主の箱に先立って進まなければならない」。
6:8ヨシュアが民に命じたように、七人の祭司たちは、雄羊の角のラッパ七本を携えて、主に先立って進み、ラッパを吹き鳴らした。主の契約の箱はそのあとに従った。6:9武装した者はラッパを吹き鳴らす祭司たちに先立って行き、しんがりは箱に従った。ラッパは絶え間なく鳴り響いた。6:10しかし、ヨシュアは民に命じて言った、「あなたがたは呼ばわってはならない。あなたがたの声を聞えさせてはならない。また口から言葉を出してはならない。ただ、わたしが呼ばわれと命じる日に、あなたがたは呼ばわらなければならない」。6:11こうして主の箱を持って、町を巡らせ、その周囲を一度回らせた。人々は宿営に帰り、夜を宿営で過ごした。
6:12翌朝ヨシュアは早く起き、祭司たちは主の箱をかき、6:13七人の祭司たちは、雄羊の角のラッパ七本を携えて、主の箱に先立ち、絶えず、ラッパを吹き鳴らして進み、武装した者はこれに先立って行き、しんがりは主の箱に従った。ラッパは絶え間なく鳴り響いた。6:14その次の日にも、町の周囲を一度巡って宿営に帰った。六日の間そのようにした。
6:15七日目には、夜明けに、早く起き、同じようにして、町を七度めぐった。町を七度めぐったのはこの日だけであった。6:16七度目に、祭司たちがラッパを吹いた時、ヨシュアは民に言った、「呼ばわりなさい。主はこの町をあなたがたに賜わった。6:17この町と、その中のすべてのものは、主への奉納物として滅ぼされなければならない。ただし遊女ラハブと、その家に共におる者はみな生かしておかなければならない。われわれが送った使者たちをかくまったからである。6:18また、あなたがたは、奉納物に手を触れてはならない。奉納に当り、その奉納物をみずから取って、イスラエルの宿営を、滅ぼさるべきものとし、それを悩ますことのないためである。6:19ただし、銀と金、青銅と鉄の器は、みな主に聖なる物であるから、主の倉に携え入れなければならない」。6:20そこで民は呼ばわり、祭司たちはラッパを吹き鳴らした。民はラッパの音を聞くと同時に、みな大声をあげて呼ばわったので、石がきはくずれ落ちた。そこで民はみな、すぐに上って町にはいり、町を攻め取った。6:21そして町にあるものは、男も、女も、若い者も、老いた者も、また牛、羊、ろばをも、ことごとくつるぎにかけて滅ぼした。
6:22その時ヨシュアは、この地を探ったふたりの人に言った、「あの遊女の家にはいって、その女と彼女に属するすべてのものを連れ出し、彼女に誓ったようにしなさい」。6:23斥候となったその若い人たちははいって、ラハブとその父母、兄弟、そのほか彼女に属するすべてのものを連れ出し、その親族をみな連れ出して、イスラエルの宿営の外に置いた。6:24そして火で町とその中のすべてのものを焼いた。ただ、銀と金、青銅と鉄の器は、主の家の倉に納めた。6:25しかし、遊女ラハブとその父の家の一族と彼女に属するすべてのものとは、ヨシュアが生かしておいたので、ラハブは今日までイスラエルのうちに住んでいる。これはヨシュアがエリコを探らせるためにつかわした使者たちをかくまったためである。
6:26ヨシュアは、その時、人々に誓いを立てて言った、「おおよそ立って、このエリコの町を再建する人は、主の前にのろわれるであろう。
その礎をすえる人は長子を失い、
その門を建てる人は末の子を失うであろう」。
6:27主はヨシュアと共におられ、ヨシュアの名声は、あまねくその地に広がった。


ルカ

第1章

1:1わたしたちの間に成就された出来事を、最初から親しく見た人々であって、1:2御言に仕えた人々が伝えたとおり物語に書き連ねようと、多くの人が手を着けましたが、1:3テオピロ閣下よ、わたしもすべての事を初めから詳しく調べていますので、ここに、それを順序正しく書きつづって、閣下に献じることにしました。1:4すでにお聞きになっている事が確実であることを、これによって十分に知っていただきたいためであります。
1:5ユダヤの王ヘロデの世に、アビヤの組の祭司で名をザカリヤという者がいた。その妻はアロン家の娘のひとりで、名をエリサベツといった。1:6ふたりとも神のみまえに正しい人であって、主の戒めと定めとを、みな落度なく行っていた。1:7ところが、エリサベツは不妊の女であったため、彼らには子がなく、そしてふたりともすでに年老いていた。
1:8さてザカリヤは、その組が当番になり神のみまえに祭司の務をしていたとき、1:9祭司職の慣例に従ってくじを引いたところ、主の聖所にはいって香をたくことになった。1:10香をたいている間、多くの民衆はみな外で祈っていた。1:11すると主の御使が現れて、香壇の右に立った。1:12ザカリヤはこれを見て、おじ惑い、恐怖の念に襲われた。1:13そこで御使が彼に言った、「恐れるな、ザカリヤよ、あなたの祈が聞きいれられたのだ。あなたの妻エリサベツは男の子を産むであろう。その子をヨハネと名づけなさい。1:14彼はあなたに喜びと楽しみとをもたらし、多くの人々もその誕生を喜ぶであろう。1:15彼は主のみまえに大いなる者となり、ぶどう酒や強い酒をいっさい飲まず、母の胎内にいる時からすでに聖霊に満たされており、1:16そして、イスラエルの多くの子らを、主なる彼らの神に立ち帰らせるであろう。1:17彼はエリヤの霊と力とをもって、みまえに先立って行き、父の心を子に向けさせ、逆らう者に義人の思いを持たせて、整えられた民を主に備えるであろう」。1:18するとザカリヤは御使に言った、「どうしてそんな事が、わたしにわかるでしょうか。わたしは老人ですし、妻も年をとっています」。1:19御使が答えて言った、「わたしは神のみまえに立つガブリエルであって、この喜ばしい知らせをあなたに語り伝えるために、つかわされたものである。1:20時が来れば成就するわたしの言葉を信じなかったから、あなたはおしになり、この事の起る日まで、ものが言えなくなる」。


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